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ALSは、1874年、フランスのシャルコー医師によって最初に、定義付けされて以来、現在に至っても、治療法も、進行をおさえる医学的対処法も無いと言われています。しかし、最近、リルゾールやIGF−1といった、ALSの進行を遅らせた、もしくは、遅らせるだろうと言われる薬が開発されており、臨床試験が行われています。 ALSは、腕の筋肉、脚の筋肉、姿勢を保つ筋肉、顔の筋肉、舌の筋肉、話す筋肉、ものを飲み込む筋肉、および、最終的には呼吸する筋肉を侵します。また、時期に逸した、または過度の情緒的反応といった感情面にも影響を及ぼします。しかし、思考能力、知性、感覚/触覚、味覚、嗅覚、聴覚、視覚、目の動き、自律筋の心臓、便通、膀胱、性的機能といったものは影響を受けません。
ALSには、特発性の(遺伝ではなく、誰にでも起こりうる)ものと、遺伝性の(一族に起こる)ものの2つのタイプがあります。
現在のところ、全ての遺伝性ALSに対して、“ALS遺伝子”を検出するための、血液や遺伝子のスクリーニング試験は無い様ですが、染色体21の欠損に対する試験は行われました。しかしながら、この欠損は、遺伝性ALSの患者の約20%の人々に、あるだけでした。
ALSは、一年に10万人に1人の割合でかかる病気と言われている、非常に珍しい病気です。また、40歳以上で、かつ、女性よりも男性の方がやや多くかかるとも言われています。
しかし、生存年数に達したから死ぬという訳ではないことを、ここで明確にしておきます。まず第一に、これらの数字は、何千人かの平均値であって、患者個々が、どうなると言っている訳ではありません。進行は個々によって違いますし、知らない間に進行の止まる人や、長い期間生存している人がいるという報告もあります。また、医学の進歩で、胃ろうや家庭用呼吸器等を使うことによって、生存期間の長さが延びただけでなく、生活の質も良くなっています。
ALSに影響がある運動神経には2つのタイプがあります。ひとつは、上位運動ニューロンと呼ばれるもので、脳から始まって、脊髄に延びているものです。その神経が影響を受けると、けいれん、筋肉の脆弱化、過度の腱反射などが生じます。 また、運動ニューロンには、会話や飲み込みと言った特別な機能を制御する集合があって、これらは脳幹から直接延びてきています。これが傷害を受けると、球麻痺と呼ばれる症状が生じます。
ALSは、診断を下すための、単独の検査がありません。そのため、時には1週間以上の期間をかけて、徹底した試験と数多くの検査が必要となります。
このページはDoug Jacobson 氏のホームページ に掲載されている、Dr.D. Eric Livingston 氏の文章の”ALS:A Guide for Patients”の中の ”What is ALS ?” をもとに、一部、私の得た情報を加えて編集したものです。専門用語や英語的表現で、正確に訳せなかった部分や、誤訳、勘違い等が、あるものと思いますが、お許し下さい。 意見、感想、間違いのご指摘はメールにてお願いします。特に専門家の方からのご意見を、お待ちしています。 | ||
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